「尊敬は受けるものではない。自分で獲得するものだ」、カペッロはそう言った。新しいクラブに加入するときは、自分が小さく感じられるものだ。初めてのことばかりだから、それはしょうがない。以前から所属する選手はすでに自分の役割を持っているし、居場所がある。新入りはそういうとき、一歩下がって周囲の様子を伺いながら慣れていくのがいいだろう。だが、それではなかなかイニシアティブ を執れないし、時間もかかる。俺は18年ぶりにクラブにスクデットをもたらすために、インテルに移籍した。一歩下がって控えめにしたり、マスコミを恐れて行動をためらっている時間はなかった。俺は「ズラタンは悪童だ、性格に問題がある」という烙印を押されていた。新たなクラブで、そのイメージを払拭するために優等生的に振る舞うことは簡単だった。でも自分を偽ることはしたくなかった
ズラタン