谷本歩実の名言集
家族がいるから自分を確認できました。家族の愛が階段のように一段一段前進させてくれていたように思います。その積み重ねが最終的に表彰台の一番高いところまで上がらせてくれたと、今ではかけがえのない家族の愛にとても感謝しています
谷本歩実
優勝という目標だけでは自分を見失い気持ちがぶれてしまいますが、まず一本を取る柔道をするためにはどうしたらいいのかを、必ず目的として持つようにしています
最後まで一本を取り続ければ優勝する
何も考えない1,000回の打ち込みよりも集中した打ち込みを100回やることにより、脳にイメージを焼きつけることができるのです。賢い選手ほど脳を使うことがうまいので、限られた同じ時間の中でも、より脳にイメージを焼き付け強くなるわけです
プロ野球選手から、よく野球のボールが止まって見えるという話を聞きますが、これは脳がMRIのように1コマずつボールの動きをイメージしており、その残像があるから止まって見えると言われています。柔道も同じように、集中した練習をしていると脳がイメージしてすぐ反応できるようになります。瞬間的に技が見えるので、私は第六感と言ってきました
相手を尊敬しながら自分自身を磨いていくことが柔道本来の人間形成の意味を持つと思っています
ここ最近、柔道のルールが毎年改正されています。私自身はしっかり組んで理に適った技で投げることのできる「待て」のないルールが好きでした
有効、効果で勝とうという試合には、消極的な姿勢が見受けられますが、一本柔道は常に全力を出し切らないと一本を取れないため、5分の中で100%を出し切るわけです。力を温存したり、配分を考えずにその瞬間、瞬間で力を出し切るため、当然それなりの熱い思いや練習量、体力などが必要とされます
一本柔道は柔道の根本であり、柔道の原点だと思っています
試合で負け続けて辛いときも、自分がケガをしていたときも一本柔道に徹して信念として戦ってきました
一部報道で引退の記事が流れたとき、地下鉄で出会ったサラリーマンのおじさんに「谷本選手お疲れ様でした」と声をかけて頂きました。その瞬間、金メダルを獲ったときには感じなかった気持ちが心に湧き上がりました。この「達成感」こそが私を「引退」という結論に導いてくれたのだと、感謝しています
一本柔道を海外から求める声も多々耳にします。それは嘉納治五郎先生の提唱された柔道に限りない魅力があるからだと思います。底辺拡大、そして人間教育、この魅力を伝えていくことこそが現在の私の夢であり、次に自分がやらなくてはいけないことだと思っています
心技体もそうですけど柔道の理念を具現化できるよう、また具現化しようと志せることが人間形成として結果以上に選手の財産となるはずです
(子どもたちは)今、限られた日本の情報の中でしか夢を抱けないので、海外のアスリートなどと交流する場を持つことで、夢や希望を持てるのではないだろうかと思っています
日本が世界の人たちともっといろいろな情報を共有するようになったらいいと思います
難しいのは、柔道が「楽しい」だけになるのはよくないです。そこをしっかり吟味しなくてはなりません
スポーツというのは、時代とともに変わらなくてはいけないと思うし、変えてはいけないものもあると思います。その中 で、日本の良さというのは絶対に失ってはいけないと思っています
道着を着ていてゴロゴロと転がること、それも柔道の第一歩。フランスではこうして体を動かす喜びを覚えていくわけです。そこに礼をすることが入ってきて、仲間が居ることや、対戦する相手が居ることに感謝するようになる。次に技を覚え始め、投げられたときの痛みを知るようになり、投げられたときの受身を通して、自分を守る術を知るようになる……というように、フランスの柔道は、細かい過程を自ら感じ、学んでいけるように工夫されています
フランスの子供たちは、「柔道って楽しい」と言いますが、この感覚には驚きました。日本で柔道をしている子供たちは「強くなりたい」とは言いますが、「楽しい」と表現する子供にはほとんど会ったことがありません。フランスでは柔道というものを日本のように上からドンっと、押し付けられるのではなく、自主性が求められるのです
日本での指導者に、柔道を楽しませるという感覚はありません。むしろ厳しく指導します
日本は、国を挙げて柔道を応援はして いますが、国が支援はしていません。手弁当で教えていて、「柔道を経営する」ということが難しいのです。日本は、熱い思いやボランティア精神で柔道が成り立っているわけですね
日本では柔道の教えが指導者によってそれぞれ異なる気がしています。それゆえに生じる問題というのも、あるのではないかと思います。指導者が柔道の理念をしっかりと学ぶというのは、大切なことです
オリンピックなど大舞台に挑むときにも、精神力が重要になります。試合の前日は眠れなくなったり、当日の 朝には緊張で食事がのどを通らなかったりするわけですが、それではエネルギー不足で負けてしまいます。そのため、「眠る練習」、「食べる練習」もしていました。マインドコントロール、というか、自分を安心させられる術を身に着けることも必要なわけです
「強くなった」と自分自身を信じるために、練習を重ねるなど努力をし、自分自身を納得させられる根拠を作っていきます
精神力も、技術と同じように積み上げていくものだと思います。今日の自分をゼロとして、明日の自分を1に、あさっての自分を2にするようにします。絶対にマイナスにならないように気を付けることで、自分は今日から強くなれるわけです
世の中に、ポイントを稼ぐ柔道が流行する中、私は一本柔道に徹したがために一年間負け続けたこともありました。ただ、得点を稼ぐ柔道をしている選手に出会うと、自分が本当の柔道を伝えなければならない、という思いがありました。だから、技術も、精神力も強くなるように、いっぱい練習を重ねました
一本を取るというのは、技術的にも精神的にも難しいことです。一本柔道を貫くためには、自分自身がやってきた全てを試合で出す必要があります。逆に、日々やってきたことが全て試合に出るので、そこに恥じない試合をしなければなりません
私は現役時代、競技としての柔道と、教育としての柔道が二極化していることを感じていました。では自分はどうするのか?ということで、随分悩みました。私は教育として柔道を覚えてきた人間です。しかし、勝ちたい。そして出た結論は「一本柔道」だったのです
勝利至上主義だと、どうしても得点を稼ぐことばかりを考えてしまうので、相手のことを敬う試合にはなりません
私が伝えてもらった一本柔道を、今度は私が伝えていきたい
私が揺れていると、いつも周りが引き戻してくれる。みんなに守られ、育てられ、導かれたのが私の柔道なんです
リードして逃げようと思った試合があったんです。保育園児や小学生から「一本とれるぞ」と声をかけられた。そうか、一本とるのが柔道だ。そう教えられた瞬間でした
通っていた大石道場では、徹底して技を教えられた。基本を繰り返し、勝敗よりも一本をとる姿勢を教わった
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