中曽根康弘の名言集
人間としての芯と軸をしっかり持たないといけない。それはひと言で言えば求道心だろう。一番てっとり早いのはカント哲学だ
中曽根康弘
人間の意志や願望、あるいは環境の激変というものが、眠っているDNAをONにするということが言われている。そこに奇蹟が起こったりする。それはまだ想像の世界だけれども、今、科学的に解明されようとしている。そういう意味において、無意識とか禅というものが世界的に広がっていくだろうと考えられる
日本文化の独自性、わび・さび、もののあはれ、などといった、感性を掴み出して芸術化したものは、外人には分からない世界だ
日本は、明治以来の発展途上国であったのが先進国の仲間入りをした。この経験を途上国に対して、日本の負担において分け与えるということが非常に大事である
DNAや宇宙空間の構造解明が前進するにつれて、新しい宗教が生まれる。既存のキリスト教、仏教、あるいは回教、ヒンズー教、それはもちろん生き長らえていくが、それらを超克した、しかもそれらの要素を基本的に借用して、新しいファクターを取り入れた21世紀的な新宗教が、世界的、あるいは地域的に生まれる可能性が高い
国家主権に対して、ある特定の目的の下に、例えばある学問、農業、物理学、あるいは芸術、政治的主張、そういうようなものを中心としたNGOとか、NPOの世界市民連合のようなものが出てくる可能性が非常に高い。ある一つのものを研究している学者集団が、国境を越えてインターネットで結合する
今後、国連はそれほど強化されないだろう。その代わり、今言ったような地域機構、地域主義というものが、国連の支店のような形になり、国連はその名のもとに最終的に地域問題を解決する手段になるのだろう
安全保障の問題で非常に大事な問題は、先進国の間の軍事兵器に対するサイバー戦争。ハッカー戦争。これによって兵器が一部動かなくなる。それは宇宙にまで及んでくる。先進国の間では、そういう面に焦点が移行するだろう
今までは内政不干渉でできなかったものが、人権問題が非常に悪質の場合には、国際法を越えて干渉が成立してくる。そういう時代に入るだろう
安全保障の問題では、核兵器をどうするか、この問題を始末しなければならない。それと生物化学兵器などの大量破壊兵器の国際管理
21世紀は大転換の時代になると思う。言い換えれば、文明のコペルニクス的転回の時代に入るだろう。20世紀は18世紀、19世紀の延長線上にあった。もちろん、21世紀もその延長線上にあるけれども、むしろ断続的な転換の可能性が出てくる
私は初めから(大統領的首相を)意識していましたから、一面においてポピュリスト(大衆迎合主義者)です
21世紀型の政治は国民の支持を背景に自分の党内、あるいは国会の各政党に圧力を加えて、法案を通し、政策を推進していくタイプなんです。ただし、いざ法案を通し、あるいは予算を成立させることになると、これは国会内の作業に入るので、そこで議院内閣制的総理という役目がまた出てきます。私の場合、大統領的首相という役と議院内閣的総理という1人2役を非常に意識していました
天皇は歴史的、文化的な蓄積の上にできている、権威の象徴です。昔の天皇で実権を握ったのは景行天皇ぐらいまで。軍刀を握った天皇は明治、大正、昭和3代で、あとは笏しゃくを握っていました。天皇が権威的統合ならば、首相は権力的統合をやるんです
私が言う首相公選制の一番の急所は、国民と首相が直結して両方が責任を直接分かち合うシステムであることです。ところが、今の議院内閣制は直結性がなくて、中2階段階。国会があって、談合とか取引で首相が決まっているから国民が意識しない首相が出てきたり、あるいは国民意思が中断される。そういうことが何回もあり、そこに腐敗も起きた