一般人の名言集
永遠に8%に持っていけないようなビジネスだったら、やっていてもしょうがない
藤森義明
社長になるとは必ずしも思っていなかったが、社長のように考えていた
出井伸之
変化というのは、質量が「軽い」領域からまず起こってくるというのが私の持論です。一番軽い「お金」を扱う金融業界が変わり、次に映画や音楽といったコンテンツがインターネ ットを通じてビットで行き来する、知的情報産業が変化の荒波にさらされた。その次は比較的質量の軽いエレクトロニクス産業で、自動車や重電などの産業のスピードと比べるとはるかに速いスピードで産業構造の再編を迫られています
ソニーの危うさ...それが魅力だよ。トヨタ自動車の安定性をまねできないし、求めると逆におかしくなる。危ない危ないといわれながら切り開くところにソニーならではの価値が生まれる
もうひとつ、今のソニーに最も求められているのが、非連続の改革
中国全体が巨大な供給過剰地域になっており、これからはまさに「所有」から「利用」の時代ですね。 ソニーとしてもしっかり考えていかなければいけない課題です
指揮者と経営者とは共通点があるなと感じました。 孤独である。常に勉強しなければいけない。基礎に忠実な部分と、革新を意識する部分とが両立しなければいけない。人材育成への情熱。 などなど
今回、事業構造改革の必要性をお話する中で、ソニーらしさというものについて改めて考えてみると、安藤さん(社長兼COO)のいう「官能的」という言葉や、「エモーショナル」であること、そして更に、”Sense of Wonder”というキーワードを私は付け加えたいと思うのです
「コミュニティ・オブ・インタレスト」は、日常とはまったく違った価値観に支配された場所と言ってもいいかもしれません。 そこでは、財布の大きさすら換わってします
『裏番組』や趣味を持つ人は、ビジネス以外の話も面白く、幅広い視点をもっていますから、会社でも人が寄ってきますし発想力も豊かです。『OFF』での蓄積が、いつの間にか会社の仕事(『ON』の世界)にも環流して、『よい循環』が生み出されてゆく
自分は何が好きで、何がやりたいのか。どんな人になりたいのか。そこを徹底的に突き詰めてほしい。 そうやって常に「気づき」を求めていれば、 今まで何とも思っていなかった情報さえも自分の中で活きてくるはずです
ヒット商品を作ればいいという時代ではない。過去に答えはない。今からアップルのまねをしてもだめで、アップルの先を行くべきだ
ソニーが得意なのはAV、アップルはIT。二つのブランドは世界最強の組み合わせだ。アップルは今、基本ソフト「iOS」というプラットホームを使ってハードでもうけているが、その戦略はソニーになかった
戦後50年は自動車や電機など消費財が伸びた時代。それが90年代に終わり、パソコンとインターネットの時代が来た。米国でアマゾン、グーグル、 フェイスブックなどプラットホームの会社が伸び、日本は乗り遅れた
今、テレビのシェア争いをしていたのでは夢がないですよね。次にネットワークが出てくるのは確実なわけですから。そういったところで、どうやるか、という先の開発投資は必要だと思うんです
もはやニッポンはモノづくりでは勝てない
危機の時代は迫ってきているのではなく、もうここに来ているかもしれないのです
これからは個々の社員が起業家、事業家にならないとビジネスがうまくいかない
日本を "IT不況" と言うのはおこがましい。 本格的なITに移行できていない日本と第一次のIT革命を終えた米国を同列に考えるべきでない
私個人としては、やはり事業部長がいちばんやりがいがあって楽しかったですね。社長になると全体の責任を持たないといけないし、会社全体のムードを良くすることを考えなくてはいけませんから
変化を歓迎しない会社全体を変えていくわけですから、社長の意見は社内ではマイノリティたらざるを得ない。社長に就任した三年前から、これだけの大きな会社に変化の必要性を浸透させ、方向性を示し、実際にそれに向かって舵を切りだすことに努力してきました
事業部長として仕事をこなしながら、会社全体としてどうしたらいいか常に考えていました。それを一年に一回ぐらい、レポートにまとめるようにしていました。重要な判断をする場合は、かなり深く考えることが必要になります。そして、自分の考えというのは、まとめようと思わないとまとまらないものです
いま自分のやっている仕事が、どういう時期にあるのか意識しておくことが大切です。一日に例えれば午前のビジネスでまだ準備段階なのか、あるいは夕暮れに差し掛かって儲けている時期なのかということを見極めておくことです。もし日が沈みそうであれば、すぐに次にやるべきことを用意して、再度太陽が昇るようにしないといけません
海外に一人で行かされると、禅問答をしないといけません。私も駐在中は本社の方針が伝わらないまま、たぶん本社の方針はこうだろうと自分で立てた仮説をもとに仕事を進めていました。何をすべきか、ソニーがどこを向いているのかを自分で考えざるを得なかったのです
井深(大)さんをはじめとしてファウンダー(創業者)は会社の精神的支柱です。会社が生まれてきた素、DNAみたいなものですから、その精神に敬意を表さないと、会社がおかしくなってしまうと思います
いまの問題点をわかりやすくビジュアル化して、社員の頭の中に焼きこむことは、経営者の重要な仕事だと思います。私の経営哲学は和です。なんて言ってもわかりません。社長としてのこの三年間、難しいことをいかに簡単に説明するかということを心掛けてきました
それぞれの業界にはルールがあって、そのルールを理解したうえで弱点を見つけてブレイクするようなことをすれば勝つことができる。ソニーが任天堂のモデルに競り勝ったプレイステーションが、今度はセガの新しいモデルから技術面でもビジネスモデルとしてもチャレンジを受けます。ビジネスはこの繰り返しです
マイクロソフトは我々とは関係がない。マイクロソフトはテクノロジーの会社ではない
マネージメント(経営)にも様々なスタイルがありますが、私はオープンに自分の考えを打ち出して、みんなに共有してもらいたいと考えています
多くの人が販売促進のことと思っているようですが、マーケティングとは売れるための潜在力を創造することです
これまでは「求心力」の時代、21世紀は「遠心力」の時代
ネットワーク技術の進歩は、ビジネスの世界にとって大きなチャンスであるとともに、既存のやり方が通用しなくなるという意味で大きなチャレンジでもあるのです
元々、ソニーには「個性」を尊重する文化がありましたが、これからはよりいっそう、「人と違うこと」を受け入れる土壌を豊かにしなければなりません
「育てる」メカニズムをいかにして作るかが、企業の重要なミッションだと思います。そしてそれにはやはり、「情熱」というものが不可欠なのです
仮にどんなに小さく思える会社でも、総力をあげて一つのことに集中している会社には大変な強みがあり、計り知れないエネルギーを秘めています
眠る前の一時間の読書時間が、私にとってはとても楽しみな時間です。出張中は移動時間が多いので読書が進みます
私は、事業部長時代によく叩かれました。何をしても、何もしなくても言われる。どうせ言われるなら、自分の信念通りやったほうがいい
新しいことをやれば、ある程度の矛盾は避けられません。ですからあまり秩序的に考えすぎず、矛盾や混乱はむしろ喜ぶべきなのです
組織というのは 、ある目的を達成するのに最善の仕組みとして出来上がっているのです。だから目的をすり替えてしまうと上手く機能しません。イチローだって、ヒットを打つことに特化しているからすごいのであって、時代が変わったから泳いでみろ、と言ったって泳げないですよね
自分の一生だから、自分で運転して責任をとる気持ちが大事です。自分はこれをやって本当によかったと思って次のステップに進むのと、会社は自分に何もしてくれなかったと後ろ向きの気持ちでいるのとは大違いです
組織は変えられません。それを変えさせるには、すぐ近くに競合的な組織をつくってやるのが一番です
私自身はすぐに組織に限界を感じて働きたくなってしまう性分で、これまでも三年に一回は動くという主義でやってきました。三年過ぎたらポジションをかわる、それを三回やったら次は全く違うところへ行くという具合に、どんどん動いてきましたね
会社の場合、変革は辺境から起きるんです。ソニー・ コンピューターエンタテインメント(SCE)とかソネットなど中心でなかった組織がどんどん成長し、それを中心的な組織がフォローする格好でずっと来ました
私のビジョンとしては、まずカンパニー制でAV・エレクトロニクスの経営を適切に進めていく。その上で、グローバルなネットワーク環境に備え、各カンパニーがより独立してビジネスが進められるように、適切な本社を備えた分散型の体制を整えておくということです。競争を優位に進めていくための準備を進めています
人間は興味を失ってしまったら終わってしまいます。やはり人生において、プランBを常に考え、持つべきでしょう
企業には競争戦略と成長戦略の二つの戦略があります。競争戦略というのは、松下やフィリップスに対してどういう競争をしていくかを考えることです。成長戦略というのは、ソニー・グループ全体を運営しながら、会社全体としてこっちへ行くべきではないかというような将来の基本的な方向性を考えることです
どんな嫌な経験でも、あとから考えると、すばらしい経験だった、と気づける
3・8年回に1回くらい、異質な体験をしていることがわかったんです。要するに3、4年に一回、もう満足しちゃったからつまんない、何かを変えよう、次に何かないかと、印象深い出来事を起こしているんですね。それは外から見れば、たいてい挫折体験だったりもするんですけど(笑)。でも、それを挫折と見るか、次を切り開いたきっかけと見るかは、僕自身ですから
日本人はやっぱり建前を言い過ぎだとは思います。だから 、本音をもっと言わないといけない
社会に住んでいるときは、仮面を被って、生きているんですよ。ずっと地で行っていたら疲れてしまう。仮面をかぶり、舞台を演じていていいと思う。ただ、それに自分が気づけているかどうかが、重要なんです。これは、本当の自分ではない、ってね
人間って、やっぱり媚びている自分にちょっと愛想を尽かすような経験がないと、やっぱりダメなんですよ。それは、自分で記憶がありますね。人は一人で生きているわけではない。会社や上司、社会や会社、そういうものに、いつの間にか媚びてる 自分がいて、「あ、嫌だな」という気持ちがあって。じゃあ、これを乗り越えるにはどうするか、と誰でも考えると思うんです
いくらいい製品をつくっても、外国企業の規格に合わせてつくるのでは下請け業者と変わりません。自分たちで規格をつくり、覇権を握ろうとする姿勢がいまの日本のメーカーにはありません
ユーザーが欲しがるソリューションを提供することがプロダクトなのです。そのモノを使うときの利便性や喜びが先にあり、その実現に向けて技術を広げていく、あるいは不足する技術を獲得するのです。素晴らしい製 品をつくるのが目的ではなく、素晴らしい経験の入り口を提供するのが目的なのです
日本は小さなカテゴリーの中でのシェア争いが好きだが、そろそろ一段上のステージに進まないと他国にどんどん追い抜かれることになります
僕は、理想的な夫婦関係は『人生の共犯者』を演じることだと思っている
私は本心から危機感を感じています。「変革」ということを私が言いつづけているのは、決してトップの「変革のための変革願望」ではないのです。意見の対立=議論こそ必要
「QUALIA」はソニーがソニーである証なのです
私がメディアに出て話をするのは「社内」へのメッセージなのだ
私は企業にとって後発参入というものはないと思います。後発でも構わず入っておけば、10年もしたら後発だなんて誰も思いません。トップになることも可能です
自分は何が好きで、何がやりたいのか。どんな人になりたいのか。そこを徹底的に突き詰めてほしい。そうやって常に “気づき” を求めていれば、今まで何とも思っていなかった情報さえも自分の中で活きてくるはずです
起業したいのであれば、世の中の役に立つことをしてほしい。お金儲けを目的にするのではなく、社会への価値提供をまず第一に考えてほしい。お金が儲かるのは、あくまで結果ですから。お金儲け以外の自分を突き動かす強い想いが無ければ、起業しても成功はできないでしょう
人は組織からの引退や卒業はありえても、自分自身から引退することはできない
ビジネスの答えはひとつとは限らないのに、日本全国で同じ答えを求めて学力テストをやっている。これは気持ちが悪いし、そんな人生はつまらない
記事を憎んで人を憎まず
経営者が自分の後継者はいないと傲慢に言い出したら終わりです。いま私が直面している、大変だなと思うことを分析して、それを次の人がやさしくできるような仕組み作りをしたいと思っています
これまでの日本の教育はメモリー重視です。本を読んで目に入った内容を頭に記憶し、手で再現する。単純な記憶型です。入ったものを加工し、違う形でアウトプットする回路が欠落しています
インターネットはビジネス界に落ちた隕石だ
プロフェッショナル経営者の最大の悩みは、社内の求心力をいかに確保するかです。創業者ならば、『会長が言っているから』として社内が納得することでも、プロフェッショナル経営者が求心力を保つには、売上高や利益を増やして、経営の成果を数字で示すしかありません。そこで、プロフェッショナル経営者はどうしても、短期的な業績アップに力を注がざるを得なくなります
人の話を聞く姿勢がない人は、その先には進めません。生意気盛りの人にとって、おそらく耳に痛いことは聞き入れにくいものです。しかし、そうしたことを言ってくれる人がいるということは、とても重要なのです
ユーザーの立場に近いものほど、イノベーションを起こす可能性が大きい。したがって大企業からではなく、小さな企業からイノベーションが生まれるチャンスが広 がっている
私は「定年」という言葉をなくしたいと考えています。日本人男性の寿命が80歳を超えている今、20歳過ぎから働き始めれば、そこから60年もの時間がある。私はソニーを卒業してから、クオンタムリープを設立しました。若手起業家の支援活動などを行っていて、現在も数多くの進行中プロジェクトを手掛けています。IT系だけでなく製造業やサービス業まで、これから伸びていく企業を幅広く応援しています。これらは社会貢献になるし、私に課せられた役割だと考えています
人の欠点は目立ちます。一方で、そ れを初めから指摘したのでは反発されるだけです。まずは相手の良い面を見つけて、信頼関係を築いた上でネガティブなことを伝えた方が、相手も耳を傾けてくれる
日本のアナログ時代に成長したメーカーは規模が大きすぎて、今のインターネット時代に合っていません。多くの企業は今の半分程度の従業員でやっていけると思います。必要な業務はアウトソーシングすればいいんです。そうした企業の体制も、今後は思い切ってスリム化していくべきです
日本になぜ、スティーブ・ジョブズのような天才が生まれないか。彼ら天才と崇 められる人物は時代の変革の時期に生まれる。過去、日本にはジョブズをはるかに上回る経営者が何人もいたと思う。「次のジョブズ」を期待する気持ちはわかるが、「次の変革期」について考えずに、彼目身を研究しても意味がない
「なぜ日本のメーカーはiPhoneを生み出せなかったのか」とよく言われる。日本では通信事業者(キャリア)が政府によって保護され、市場を寡占してきたため、メーカーに対して圧倒的に優位な立場にある。発注者が限られていれば、受注者は言いなりにならざるをえない。発売時期や新機能、細かい仕様に至るまでキャリアから指示を受けるメーカーに対して、「独創的であれ」というのは酷な話だ
世の中の産業は、技術の発展とともにつくり方も何もかも変わってきています。にもかかわらず、いまだに20世紀の名残のようなことをやっている企業が少なくありません
イノベーションとは、単なるハードに限らない。また特にITにおいては、メーカーだけではなく、ユーザーの視点から生み出されることも多い。たとえばGoogleを創業したラリー・ぺイジとセルゲイ・ブリンは、ユーザーの視点からイノベーションを起こした。日本ではNHN Japanの森川亮社長が「LINE」というイノベーションを起こしている。すでにある技術を組み合わせることで、社会的に必要性のあるものを生み出すこと。それがいまのイノベーションである
私は日本企業の改革について、「企業を二つに分け、既存の事業を行う組織と新しいことに注力する組織につくり替えよ」と公言している。第一で従来型の経営を続け、第二では創造的な取り組みをする。旧体制をつくり替えるのは難しいが、新たに「第二」を走らせることで、新しい芽を育てていく
日本の経営者には、リスクをとって挑戦するより、無難に経営をこなし、死ぬまで会社の鎧を脱がない人が多い。「第二の人生」では、もっと自由になってほしい。そうすればアイデアも生まれるはずだ
私のサラリーマン生活は、3・3の法則で動いてきたと思います。サラリーマンにとっては、いろいろなポジションに動いていくということは非常に大事なことです。絶対にやらなければいけません。同じところに長くいたら、幅の狭い人間になってしまいます。変わることによってこそ、サラリーマンは磨かれるのです
日本という国は足し算の文化だと思うのです。アメリカの文化は、Aがあって次にBに変わったら、Aはなくなってしまう。でも、日本の文化は違います。AプラスBという形で変わっていくことができるのです。AからBになっても、Aはなくならない。それが足し算の文化なんです
ソニーでも足し算の文化のごとく、オーディオ・ビジュアル・ビジネスの上にITビジネスを乗せてしまおうというわけです。この両業種を合わせて、いままさにはじまったデジタルの爆発的な成長に貢献していけるようなモノづくりをしていこうということです
二年前から私は、複雑系の経営ということを言っています。グループの企業価値の全体和は、その部分となっている事業ユニットの足し算よりも絶対に大きくなければいけない。この複雑系の経営は、ボーダーレス時代にふさわしいと考え、会社の部門を独立させる社内カンパニー制を強化しました。各事業ユニットであるカンパニーは執行役員に任せ、本社の十人の取締役会がグループ全体の経営の基本方針を決める形にしました。これは事業ユニットを切り離してソニー全体の価値を上げていく持ち株会社的な分散型モデルの第一歩 です
私が社長になった時、ある方から「社員食堂でご飯を食べない方がいいぞ」と言われたことがあります。私はサラリーマンとして下から上を見ていた経験が長いから、所詮トップと距離があることはわかっています。それなら一歩でも社員の方に近づく方がいいのではないかと考えているのです
サラリーマンをやりながら、一生ハッピーに過ごすということはありえないでしょう。サラリーマンというのはすぐ上の上司との関係が難しい。ずっと上の人とは別に問題はないんです。すぐ上とぶつかるわけで、どうしても批判してしま いがちです。会社にはルールメーカーとルールブレイカーがいますが、直属の上司というのは、ルール通りにやっていれば安心していますが、部下がルールブレイカーだと心配します
私は、松下と日本のマーケットで厳しい競争を繰り広げていることこそが、ソニーの強さの源泉だと思うんです。ソニーと松下は競争すればするほど、お互いに強くなります
Eメールというのは下手をすると直訴状合戦になってしまうのではないかと心配する声もありますが、それほど社員のインテリジェンスは低くありません。上司の悪口など一切なし、会社の改善点をはじめ、建設的なことを書いてきてくれています
社員が提言をしてくれないとがっかりですね。例えば会議をやっていまして、絶対自分はこのプロジェクトはまとまらないと思うのに、会社がやっているからしょうがないと黙って社員が聞いているとしたら、それはやっぱり企業としては非常に危険です。見えない部分でまずいなというところがあったら、それをこうしたらいいんじゃないかと体を張ることです
社長業というのはコミュニケーション業だと考えています。私の考えはこうですと突然言っても、普段から付 き合いがなければ、驚くだけで受け入れにくいものでしょう。そのためにも日頃から社長はどういう人間か、どういう考えを持っているかということをみんなに示しておこうと心がけています
ルールブレイカーというのは、アウトローという意味ではありません。古いルールを壊して、新しいルールをつくり上げるのが本当のルールブレイカーです。これはきちんと見分けないといけません
私は社長としての功績についてあまり考えないことにしています。社長というのは具体的に何もやらない。判断したり、会社の方向性とか空気を変 えるということが仕事なんです。会社というのはひとつのことをやろうと思ったら組織で大勢の人が動くでしょう。うまくいったときは、みんなでよかったよかったと言って、心の中で俺がやったんだと思っていればいいんです
ソニーは過去の成功体験があまりにも強い会社です。こういう時期に成功体験に溺れていたら、この会社は間違いなく危ない。ソニーは新しい成功体験を作り出さないといけないときなのです
私は経営をアメリカ型と日本型に簡単に分けられるものではないと思います。ソニーの場合、株主の45%は外国人。 つまり45%の株主はアメリカ式の投資と同じ感覚でリターンを厳しく追及してきます。それに対し日本の株主の場合、銀行などの安定株主は、必ずしもリターンを厳しく追及してきません。これら二種類の株主の株主を同時に満足させる必要があるのです。アメリカ的経営と日本の企業としての在り方のふたつを共存させないといけない
イギリスが英連邦で一番栄えた時期に、東インド会社は若い人を世界中に派遣して商売をやらせました。これが最高のマネジメントスクールだと私は思います。うちの30代の社員も、アルゼンチンで社長をしたり、ロシアで一生懸命やって返ってくると見違えるほどたくましくなる
日本のいいところは、競争しながらも相手から学ぼうとする姿勢を忘れないところだと思います。競争にはルールが常に存在しています。どこかと戦略的に提携しようというのは強さを補完する意味を持たないことも多い。強ければ競争すればいいんです
日本の得意技でもあった「ものづくり」が、いま通用しなくなっています。ものづくりという呼び方自体が、私には時代に合っていないように思えます。ネット時代に入ってから、メーカーは製品をつくるだけでは利益に結びつかなくなりました。ネットの世界とつながって初めて、製品は価値が認められるのです。かつてのものづくりと、ネットの技術の連携が求められているのです
ユニクロは世界一を目指しているし、世界一を目指さないと何をやっているのか分からない
柳井正
全部変えない限り生き残れない
40
閲覧履歴
なし