山本常朝の名言集
さては世が末になり、男の気おとろへ、女同前になり候事と存じ候。口のさきの上手にて物をすまし、少しも骨骨とある事はよけて通り候。若き衆心得有りたき事なり
山本常朝
今どきの奉公人を見るに、いかう低い眼の着け所なり。スリの目遣ひの様なり。大かた身のための欲得か、利発だてか、又は少し魂の落ち着きたる様なれば、身構えをするばかりなり
人中にて欠伸仕り候事、不嗜なる事にて候
大慈悲を起こし人の為になるべき事
親に孝行仕るべき事
主君の御用に立つべき事
武士道においておくれ取り申すまじき事
酒に酔ひたる時一向に理屈を言ふべからず。酔いたるときは早く寝たるがよきなり
先ずよき処を褒め立て、気を引き立つ工夫を砕き、渇く時水を呑む様に 請け合わせ疵直るが意見なり
大事の思案は軽く、小事の思案は重く
慈悲より出づる智勇は本ものなり、慈悲の為めに罰し、慈悲の為め働く故に、強く正しきこと限りなし
大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり