学術の名言集
嘘は常備薬、真実は劇薬
河合隼雄
独立と依存とは反対のことではなく、むしろ共存するものだ
自我と自己。自我は変革可能だけれども自己は無限の可能性みたいなものだ
人は傷つくことで成長していく。先生の役割は傷をつける役割だ
物語らなければ生きていけない
クライアントが一番いいたいのは「何も生まれてこなくても良かったんじゃないか」ということ、それが一番大きな問題
昔は母親が子供に「よい子」であるように願っていても、子どもの方は母親の管理を離れて勝手に行動できる余裕があった。熱心さはうまく緩和され、適当な度合いになっていたのである
自立しているものこそお互いに接触し頼るべき時は頼って生きているが十分に自立していない人間は、他人に頼ったり、交際したりするのを怖がる
己を賭けることもなく、責任を取る気も無く、100%正しいことを言うだけで人の役に立とうとするのは虫がよ過ぎる
100%正しい忠告は、まず役に立たないが、ある時、ある人に役だった忠告が、100%正しいとは言い難いことも、もちろんである
ゆっくり話を聞いてくれる人が目の前にいると「本人が自分で答えを見つける」ということが起こります
日本人の自我は、欧米人とは異なり、常に他者との相互関係の中に存在し、他者を離れた個として確立していない
外向的な人は、内面コンプレックスをもっているし、内向的な人は外向コンプレックスを有しているが、このような人達が恋愛や夫婦として結ばれることはよくあることである
物で溢れた豊かな国は、(食べ物の確保の)その上を行かなくては幸せにはなれません。心を遣って自分なりの幸せを探さなくてはならない
おのおのの人が自分の心の内部にあるコンプレックスを開発してゆく代わりに、それを補う人と結びつくことによって、手っ取り早く相補性を獲得する
人づきあいを大切にするというと、すぐに「自分を殺して」とまで考えがちになる。しかし、そんなに自分を殺しても、人間はそれほど簡単に死ぬものではない
(難しいクライアントは)母性役割と父性役割の両方をセラピストに要求するわけ
会社という道。家庭という道。それぞれが別の道であることをもっと意識することです
人生には終着駅などありませんよ。それに、もしその道が行き止まりだったらどうしますか
世界の国々を見ても、貧しい国は活気があって当たり前です。食べものを確保するのに必死ですから、自ずと活気が生まれてくる
ボランティアの人たちは、よほど謙虚な気持ちをもっていないと、思いがけない害を他人に与えることになると自戒していただきたい
現代の文明は、単純に「進歩」を目指しすぎるあまり、老人に対しても「いつまでも若い」というまやかしをして、問題の本質をごまかそうとしています
肉体的に段々と衰える、下り坂を下ることの中に人間としての成長を見出すという逆説を考えなくては本当の意味での老人の適応ということはあり得ない
(クライアントが)知的に高くてノーマルな人たちには本を読んでもらうのも非常にいい
人間の悩みというのは、ある程度その人を守っている
子どもに「これ、読め」なんて言うと絶対読まない。だけど「見てはいかん」と言えば、こっそり見に来て「案外おもろいやないか」
速断せずに期待しながら見ていることによって、今までわからなかった可能性が明らかになる
人間、そう簡単に自分の生き方はこうだと決めつけたり、型にハメたりしないほうが、人生、豊かなものになるのではないでしょうか
現在はあまりにも我々の生活が満たされてきたので、かえって皆、心の中のことに捕まえられる事が多くなってきた
自分はなりたいというより、自分こそ適任だと思うような人は、あまり心理療法家には向かない
朝起きたら、また違う風が吹いているからね
宗教はあくまで個人のものである。あくまで自分との関わりにおいて世界を如何に見るかということ
だいたい子どもというものは“親の目が届かないところ”で育っていくんです
親の命令が画一的で、一から十まできちんと統制がとれている家庭の子は危険です。それに対して多少の悪さやいたずらをしても大目に見てもらえる家庭の子は、あまり心配しなくてもいい
褒めたらつけ上がるなんてことはまずありません。もっと子どもを信用していい。子どもを信用できないのは、つまりは自分を信用していないから
うっかり他人のことを真に理解しようとし出すと、自分の人生観が根っこあたりでぐらついてくる
不安っていうのは他人を巻き込む力が強いんです。だから不安の強い人は、なんとなく嫌われることが多い
人間が死ぬときは頭だけが死ぬのではない。人間が死ぬことは、身体全体が死ぬのである
視野を広げるために一番大事なものは、「道草、ゆとり、遊び」
思い屈するような心萎える時間こそ、心が撓(しな)っている状態で、重い雪をスーッと滑り落としているときなんだから、それを肯定し自分を認める
人間の心が如何にに分からないかを骨身に染みて分かっている者が「心の専門家」である、と私は思っている
逃げるときはもの惜しみしない
自立ということは依存を排除することではなく必要な存在を受けいれ、自分がどれほど依存しているかを自覚し、感謝していることではなかろうか
冗談による笑いは世界を開き、これまでと異なる見方を一瞬に導入するような効果をもつことがある。八方塞がりと思えるとき、笑いが思いがけぬ方向に突破口を開いてくれる
心の中の勝負は51対49のことが多い
学んでいて楽しくないものは、本当の意味で身につかない、というのは私の実感でもありますが、一方で、苦しさを伴わない学びもまた、ニセモノだと思うのです
欠点のある人…誰しも欠点を持っているのだが…と、自分も欠点を持つ人間として関係を維持してゆく努力の中に、愛があるのではないだろうか
自分の根っこをぐらつかせずに他人を理解しようとするのなど、甘過ぎる
昨日を守ること、すなわちイノベーションを行わないことのほうが明日をつくることよりも大きなリスクを伴う
ピータードラッカー
複雑なものはうまくいかない