凡(およ)そ学をなすの要は己(おの)が為にするあり。己が為にするは君子の学なり。人の為にするは小人の学なり
吉田松陰
心の良知、これを聖と謂う。聖人の学はただこれこの良知を致すのみ。自然にしてこれを致す者は、聖人なり。勉然としてこれを致す者は、賢人なり。自ら蔽われ自ら昧くして、敢てこれを致さざる者は、愚不肖の者なり
王陽明
心は即ち理なり。天下にまた心外の事、心外の理有らんや。ただ心の人欲を去り、天理を存する上にありて功を用ひれば便ち是なり
行蔵(こうぞう)は我に存す。毀誉(きよ)は他人の主張、我に与(あずか)らず
勝海舟
皇国の興廃、此の一線に在り。各員一層奮励努力せよ
司馬遼太郎
私が浅い学問浅い経験とを以てこの人類社会を考へるとこの人生には二つの道があるやうに思はれる。その一つは即ち人道教、いま一つを経済教と私は名付ける
高橋是清
今どきの奉公人を見るに、いかう低い眼の着け所なり。スリの目遣ひの様なり。大かた身のための欲得か、利発だてか、又は少し魂の落ち着きたる様なれば、身構えをするばかりなり
山本常朝
勝(かつ)といふは、味方に勝事也。味方に勝といふは、我に勝事也。我に勝といふは、気を以(もって)、体(たい)に勝事也
世に教訓をする人は多し、教訓を悦ぶ人はすくなし。まして教訓に従ふ人は稀(まれ)なり。年三十も越したる者は、教訓する人もなし。教訓の道ふさがりて、我儘(わがまま)なる故、一生非を重ね、愚を増して、すたるなり
若き内に立身して御用に立つは、のうぢなきものなり。発明の生れつきにても、器量熟せず、人も請け取らぬなり。五十ばかりより、そろそろ仕上げたるがよきなり。その内は諸人の目に立身遅きと思ふ程なるが、のうぢあるなり
道は天地自然の未知なる故、講学の道は敬天愛人を目的とし、身を修する克己をもって終始せよ。己に勝つ極功は「意なし、必なし、固なし、我なし」と云えり
西郷隆盛
無刀とて、必ずしも人の刀をとらずしてかなはぬと云ふ儀にあらず。又刀を取りて見せて、是を名誉にせんにてもなし。わが刀なき時、人にきられじとの無刀也
柳生宗矩
一人の悪に依りて万人苦しむ事あり。しかるに、一人の悪をころして万人をいかす。是等誠に、人をころす刀は、人を生かすつるぎなるべきにや
これを知(し)るをこれを知(し)るとなし、これを知(し)らざるを知(し)らずとなせ。これ知(し)るなり
孔子
人を用うるの法、大才能の人は始めより大任重職を命ず。しかしてその人また自ら奮励し、大いにその忠思をのぶること、なお時雨(しぐれ)の化(か)するがごとし。もし大才能の人を些事賤役(些細なつまらない仕事)に役使すれば、その人必ず厭怠(えんたい)してこれが用たらず
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