渋沢栄一の名言集
一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが処世上の第一要件である
渋沢栄一
できるだけ多くの人にできるだけ多くの幸福を与えるように行動するのが我々の義務である
国家社会をも利益するということなら、余は断然自己を捨てて、道理のあるところに従うつもりである
入るを計りて、出(いず)るを節す
男はいかに丸くとも、 角を持たねばならぬ。金はボロに包んでも金だが、石は錦に包んでも石
明治維新当時の財界における三傑は三井の野村利左衛門(三井財閥の創設者)と鉱山王の古河市兵衛(古河財閥創設者)と天下の糸平こと田中平八を挙げなければならない
富を成す根源は何かといえば、仁義道徳、正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ
立志の当初最も慎重に意を用うるの必要がある、その工夫としてはまず自己の頭脳を冷静にし、しかる後自分の長所とするところ、短所とするところを 精細に比較考察し、その最も長ずる所に向かって志を定めるがよい
すべて物を励むには競うということが必要であって、競うから励みが生ずるのである。いやしくも正しい道を、あくまで進んで行こうとすれば、絶対に争いを避けることはできぬものである
個人の富はすなわち国家の富である
人を見て万人一様なりとするには一理ある、万人皆同じからずとするのもまた論拠がある
ただ順逆を立つる人は、よろしくそのよって来るゆえんを講究し、それが人為的逆境であるか、ただしは自然的逆境であるかを区別し、しかる後これに応ずるの策を立てねばならぬ。小事も、積んでは大事となる
重役は常に、会社の財産は他人の物である。といふことを深く念頭に置かねばならぬ
堅実なる事業に就て何処までも大胆に、剛健にやれ
老人が懸念する程に元気を持って居らねばならぬ筈であるのに今の青年は却て余等老人から「もっと元気を持て」と反対な警告を与へねばならぬ様になって居る
一個人のみ大富豪になっても社会の多数がために貧困に陥るような事業であったならばどんなものであろうか。いかにその人が富みを積んでもその幸福は継続されないではないか。故に国家多数の富を致す方法でなければいかぬという のである
『智』『情』『意』の三者が権衡を保ち、平等に発達したものが完全の常識だと考える
よく働く人を多く出して国家の利益を計るほうが万全の策であると思う。一人が巨額の財産を築いてもそれが社会万民の利益となるわけでもないし、ようするに無意義なことになってしまう
人情としては誰でも他人より多く(お金を)蓄積したいと苦心するのが普通であるが、この多いということには際限がない。極端に考えて、もし一国の財産をことごとく一人の所有物としたら、どういう結果をきたすであろう。これこそ国家の最大不祥事ではあるまいか
私は実業家の中に名をつらねながら、大金持ちになるのは悪いと考えている
多く聞き、多く見て、その中より最も善きものを選び、これに従うて行作せねばならぬのは中人の常なり。されどあまり見聞のみを博くしても、その人に取捨の見識がなければ、選択の見当がつかなくなって迷うようになるものだ
世人より投機者流と見られ、世間の信用を失うようにならぬとも限らぬ。すなわち一時は利益を得ても、永い年月の中には、大いに損をすることになるべし
成功には嫉妬が伴い、成功者の多くは老獪(ろうかい)と目されやすい。地位と名誉には、それぞれ付随する慎みがあることを忘れてはならぬ
最も重んずべきは信である。信を守らねばたちまち失敗す
自分が手にする富が増えれば増えるほど、社会の助力を受けているのだから、その恩恵に報いるため、できるかぎり社会のために助力しなければならない
言葉は禍福ともに引き起こす入口のようなものだ。ほんのちょっとした言葉であっても、軽率に口にしてはならない
常に愛国忠君の気持ちを厚く持ち、公に奉ずることを忘れてはならない
言葉は真心を込め、行いは慎み深く、事を取りさばき、人に接するには必ず誠意を持って臨め
交わってためになる友を近づけ、損になる友を遠ざけ、仮初にも己にへつらう者を友としてはならない
事を成し、物に接するには、必ず「満身の精神」をもってせよ。ささいな事であっても、いい加減に扱ってはならない
富貴に驕ってはならない。貧賤を憂えてはならない。ただ知識を磨き、徳を高めて、真の幸福を求めようとすること
他人を押し倒してひとり利益を獲得するのと、他人をも利して、ともにその利益を獲得するといずれを優れりとするや
目的には理想が伴わねばならない。その理想を実現するのが、人の務めである
身体はたとい衰弱するとしても、常に学問を進めて時代に遅れぬ人であったならば、いつまでも精神に老衰ということはなかろうと思う
論語とソロバンというかけ離れたものを一つにするという事が最も重要なのだ
四十、五十は洟垂れ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ
私は他人が掛物とか屏風とかその他の書画骨董に金を出すと同様に、慈善事業に金を費やすことをもって一種の道楽と思うているくらいである
親から子に対して孝を励 めよと強ゆるのは、かえって子を不孝の子たらしむるものである
事業には信用が第一である。世間の信用を得るには世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
長所を発揮するように努力すれば、短所は自然に消滅する
人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ
日本では人知れず善いことをするのが上である。自分の責任はもちろん、他人の責任までも追うことが武士道の真髄とされる
男はいかに丸くとも角を持たねばならぬ
大金持ちになるよりも社会万民の利益をはかるために生きる方が有意義である
大なる立志と小さい立志と矛盾するようなことがあってはならぬ
心を穏やかにさせるには思いやりを持つことが大事である。一切の私心をはさまずに物事にあたり、人に接するならば心は穏やかで余裕を持つことができるのだ
新規に受注した大工事には自然と注意が払われる。しかし日々の小さな工事こそ注意を怠ってはならない(清水建設社員に向けた言葉)
そもそも多能は聖人の本色ではないとしても、多能なるくらいの種々の経験ある人にあらざれば真正の聖人となり得ざるべし
不言実行と共に、また有言実行も大いによろしい
大なる欲望をもって利殖を図ることに充分でないものは決して進むべきではない。空論に走り、上辺だけを飾る国民は決して真理の発達を為すものではない