御経もいま少しなり。読み果つるほどは、死したりとも、われを守護せよ
源義経
心の良知、これを聖と謂う。聖人の学はただこれこの良知を致すのみ。自然にしてこれを致す者は、聖人なり。勉然としてこれを致す者は、賢人なり。自ら蔽われ自ら昧くして、敢てこれを致さざる者は、愚不肖の者なり
王陽明
心は即ち理なり。天下にまた心外の事、心外の理有らんや。ただ心の人欲を去り、天理を存する上にありて功を用ひれば便ち是なり
あらゆる事象は心の反映である。したがって純粋な心でひたすら念じ続ければ、たいがいのことは成就する
稲盛和夫
真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし
夏目漱石
今どきの奉公人を見るに、いかう低い眼の着け所なり。スリの目遣ひの様なり。大かた身のための欲得か、利発だてか、又は少し魂の落ち着きたる様なれば、身構えをするばかりなり
山本常朝
少し眼見え候者は、我が長(た)けを知り、非を知りたると思ふゆゑ、猶(なほ)々自慢になるものなり。実に我が長け、我が非を知る事成り難きものの由。海音(かいおん)和尚御咄(おんはなし)なり
恋の至極は忍恋と見立て候。蓬ひてからは恋のたけが低し、一生忍んで思ひ死(じに)する事こそ恋の本意なれ
世に教訓をする人は多し、教訓を悦ぶ人はすくなし。まして教訓に従ふ人は稀(まれ)なり。年三十も越したる者は、教訓する人もなし。教訓の道ふさがりて、我儘(わがまま)なる故、一生非を重ね、愚を増して、すたるなり
酒盛の様子はいこうあるべき事なり。心を附けてみるに、大方飲むばかりなり。酒というものは、打ち上がり綺麗にてこそ酒にてあれ、気が附かねばいやしく見ゆるなり。大方、人の心入れ、たけだけも見ゆるものなり。公界物なり
青年はすべからく素直たるべし。壮年はすべからく狸芸にでるべし。老人はすべからく、いよいよ横着に構えて、憎まれることを覚悟すべし
石坂泰三
功立ち名顕るるにしたがい、いつしか自らを愛する心起こり、恐懼戒慎の意、緩み、驕矜の気、しばらく長じ、その成し得たる事業をたのみ、いやしくも我が事をし遂げんとまずき仕事に陥り、終に敗るるものにて、みな自ら招くなり。ゆえに己に勝ちて、見ず聞かざるところに戒慎するものなり
西郷隆盛
刀二つにてつかふ兵法は、負くるも一人、勝つも一人のみ也。是はいとちいさき兵法也。勝負ともに、其得失僅か也。一人勝ちて天下かち、一人負けて天下まく、是大なる兵法也
柳生宗矩
一人の悪に依りて万人苦しむ事あり。しかる に、一人の悪をころして万人をいかす。是等誠に、人をころす刀は、人を生かすつるぎなるべきにや
三人行けば必ず我が師あり。その善なるものをえらび、之に従い、その不全なるものはこれを改む
孔子
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