人を殺す刀、かえってすなわち人を活かす剣なりとは、それ乱れたる世には、ゆえなき者多く死するなり。乱れたる世を治める為に、殺人刀を用いて、己に治まる時は、殺人刀すなわち活人剣ならずや
柳生宗矩
ナニ、忠義の士といふものがあつて、国をつぶすのだ。己のやふな、大不忠、大不義のものがなければならぬ
勝海舟
天地の間に、己一人生きてあると思ふべし。天を師とし、神明を友とすれば外人に頼る心なし
中江藤樹
刀の精神は抜くべくして抜くべからざるに在り、もし一旦、これを抜けば、その目的を達せずして空しく再び鞘に納むるを得ず
川路利良
負けまじき軍に負け、亡ぶまじき家の亡ぶるを、みな天命と言う。それがしに於いては天命とは思はず、みな仕様の悪しきが故と思うなり
武田信玄
大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり
山本常朝
武士は、仮にも弱気のことを云ふまじ、すまじと、兼々心がくべき事なり
今の世を、百年も以前のよき風になしたく候ても成らざる事なり。されば、その時代々々にて、よき様にするが肝要なり
兼好・西行などは、腰ぬけ、すくたれ者なり。武士業(わざ)がならぬ故、抜け風をこしらへたるものなり
芸は身を助くると云ふは、他方の侍の事なり。御当家の侍は、芸は身を亡ぼすなり。何にても一芸これある者は芸者なり、侍にあらず
天の道を行う者は、天下こぞってそしっても屈しない。その名を天下こぞって褒めても驕(おご)らない
西郷隆盛
命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難をともにして国家の大業は成し得られぬなり
兵法は人をきるとばかりおもふは、ひがごと也。人をきるにはあらず、悪をころす也
無刀とて、必ずしも人の刀をとらずして敵わぬという儀にあらず。また刀を取りて見せて、これを名誉にせんにてもなし。わが刀なき時、人に斬られじとの無刀なり
兵法は人を斬るとばかり思うは、僻事(ひがごと)なり。人を斬るにはあらず、悪を殺すなり
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