いつ来るか分からない死の影に怯えきって暮らすより、取り返しのつかない愛する人との死別にいつまでも悲しみ嘆くより、たった今、自分の生きている今日、この時を精一杯生きるしかないのではないでしょうか
瀬戸内寂聴
もしかしたらこの人は、私のために身を捨ててしまうんじゃないか、という危険な香りをほのかに漂わせて近寄ってくる男がいたらこれは美貌よりも、権力よりも、勿論お金よりも、段違 いに魅力的ね
岡本敏子
心のままにまっすぐ砂漠へ踏み込んでいって、飢えるか狂うか、生きられぬ段階に至るまでの、生きられぬことの葛藤のプロセスこそ、生きるということではあるまいか
色川武大
自分は満たされていないと普段思っていても、意外と小さな幸せがあるものなのだ
武田双雲
幼少期の精神世界を持ち続け、知識と常識を加えてバランスをとり、夜の恐怖をもはや恐れず、それでも命の物語を少し、ほんの少し理解することが出来たら、そんな天国はほかにないでしょう
ビアトリクス・ポター
遠い国々で苦しんでいる人々、見たことも聞いたこともないところで、今日、私の小さな祈りと、痛む愛を必要としている人々のために、「今」という時間に愛をこめて生きることができたら、その人の幸せは、もっと大きくなることでしょう
渡辺和子
自分の心の底すら何が潜んでいるのか分らないのに、まして他者の心の底など理解することが出来るでしょうか
瀬戸内寂聴(夫婦)
人に愛された想い出より、人と別れた想い出を持つ女の方が、しっとりと魅力的なのは、その女が心底から人を憎んだ苦しい経験を経て、人を許すことを識っているせいではないかしら
瀬戸内寂聴(恋愛)
愛さなかった女より、愛する幸福を一度でも知った女の方がより深い人生を生きたことに間違いはないだろう
自分は百二十まで生きようと思っていたのに不思議だなあ、と思いながら死んでいくのも、いいのではないでしょうか
瀬戸内寂聴(人生)