勝ったものも、負けたものも、武士といふ階級は、大勢の者(農工商)に負けてしまふ。見苦しいことをせずと、武士の絶えぬうちに死んだ方がよからう。潔く戦はうではないか
河井継之助
一人の女がこれだけ心の底から尊敬し、慕い、全存在を賭けているということは、男を力づけないはずはない。私は秘書として有能でもなく、芸術家でもなく、いい女でもなかったが、あらゆる瞬間に自分のありったけのものを注いだということは胸を張って言える。出し惜しみはしなかった
岡本敏子
転地万物は、人間ともともと一体のものなのだ。最も精密にはたらくのが人間の霊明にはたらく心なのである。風雨露雷、日月星辰、禽獣草木、山川土石の類は、人間ともともと一体なのだ。だからこそ五穀や禽獣の類は、みな人間を養うことができるし、薬石の類はみな病気を治すことができるのである。それはひとえに一気を同じくしているからこそちゃんと通じあえているのだよ
王陽明
腹を切って死んだとしても、わしに従って地獄・極楽を駆け巡るわけではあるまい。わしはただ立派な士を一人でも多く、大切に思う子に譲りたいのだ。必ず殉死を禁ぜよ
黒田官兵衛
そやつが後先のことを 考えてみているうちに、二・三百年も前に、ちょうど自分の意見と同じ意見を持っていた人を見出すのだ。そこでそやつが驚いて、なるほど偉い人間がいたな。二・三百年も前に、いま自分が抱いている意見と同じ意見を抱いていたな、これは感心な人物だと騒ぎ出すようになって、それで世に知れてくるのだよ。知己を千載の下に待つというのはこの事
勝海舟
百年の後に、知己を待つのだ。なにが、わかるものか。昔から、大功の有つた人は、人が知らないよ。久しうして後にわかるのだ
予は目撃せり。日本軍の中には赤十字の義務を完うして、敵より感謝状を送られたる国賊あり。しかれどもまた敵愾心のために清国(てきこく)の病婦を捉えて、犯し辱めたる愛国の車夫あり
泉鏡花
女にはどうあがいても勝てないし、勝負の対象となるものでもない。女は偉大だ。男はつくづく闘争本能をぶら下げた毛虫のようだな。笑いたくなる
長渕剛
傷ましいかな。君たち儒者は、口では文王とか湯王とか聖人のことを説きながら、行いは犬や豚に例えるのかな。傷ましいかな
墨子
人間は、無一物でこの世に生を享ける。その後、どんな波瀾や苦難に直面しようとも、所詮自分の始末は自分一個の腕でつけるものだ。その時々で骨惜しみせず、おのれの信ずるままに精一杯生きて、なにも残さず、裸で堂々と死んでいけばそれでいい
高橋是清
仕事を本位とする以上は、その仕事がどんなであろうとも、いかに賤しく、いかに簡単であろうとも、ただ一心になって、それを努めるばかりである。こうすれば、どこにも不平の起こるべき原因がない。よい地位に昇ったからとて、われを忘れて欣喜雀躍(きんきじゃくやく)するはずもなければ、また、その地位が下がったからとて、失望落担することもないはずだ
見まわしたところ、それぞれ優れた面魂の男ばかりだ。一片の侠気義心のために死をも辞せぬのが諸君であろう。しかし、それは所詮はおのれ範囲を出ぬ。心を変えろ、心を。日本を背負う気になってみろ。その気になって背負えば日本などは軽いものだ。いやそれがむしろ悲しい。病み呆けた老婆よりも軽い
坂本龍馬
此頃ハ天下無二の軍学者勝麟太郎という大先生に門人となり、ことの外かわいがられ候て、先きゃくぶんのようなものになり・・・すこしエヘンにかおしてひそかにおり申候。達人の見るまなこはおそろしきものとや、つれづれにもこれあり。猶エヘンエヘン、かしこ
少し眼見え候者は、我が長(た)けを知り、非を知りたると思ふゆゑ、猶(なほ)々自慢になるものなり。実に我が長け、我が非を知る事成り難きものの由。海音(かいおん)和尚御咄(おんはなし)なり
山本常朝
人間一生誠に纔(わづか)の事なり。好いた事をして暮すべきなり。夢の間の世の中に、すかぬ事ばかりして苦を見て暮すは愚(おろか)なることなり。この事は、悪しく聞いては害になる事故、若き衆などへ終に語らぬ奥の手なり。我は寝る事が好きなり。今の境界相応に、いよいよ禁足して、寝て暮すべしと思ふなり
若し図にはづれて生きたらば、腰抜けなりとて、世の物笑ひの種となるなり。此のさかひ、まことに危し。図にはづれて死にたらば、犬死気違ひとよばるれども、腰抜けにくらぶれば、恥辱にはならず。是れが武道に於いてまづ丈夫なり
凡そ二つ一つの場合に、早く死ぬかたに片付くばかりなり。別に仔細なし。胸すわりて進むなり
武士たるものは、武道を心掛くるべきこと、珍からしからずといへども、皆な人油断と見えたり。其の仔細は、武道の大意は、何と御心得候か、と問ひかけられたるとき、言下に答へ得る人稀なり。そは平素、胸におちつきなき故なり。さては、武道不心がけのこと、知られ申し候。油断千万のことなり
四の五の言わずに生活していかなきゃいけないものなの、人間というの は。それに理屈なんてないから
マツコ・デラックス
勝ったものも、負けたものも、武士といふ階級は、大勢の者(農工商)に負けてしまふ。見苦しいことをせずと、武士の絶えぬうちに死んだ方がよからう。潔く戦はうではないか
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