プログラマーの名言集
名刺上、私は社長です。頭の中ではゲーム開発者です。でも、心はゲーマーです。
岩田聡
最近ではめずらしい、ゲームらしいゲームが出来ました。でもはじめはぜんぜん評価してもらえなかったんです
私は、ずっと前から自分が誰かと仕事をしたら「次もあいつと仕事をしたい」と言わせよう、というのがモットーだったんです
私は必ず、任天堂はゲームソフトのデフレに対応できると考えています。それには我々が彼らにできないことをしないといけない。異質なものを提案して価値を認めていただけるかどうかに、すべてがかかっているのではないでしょうか
なぜバンダイナムコさんの『ゼビウス』を最初につくったのかというと、とにかくわたしたちが立体視で『ゼビウス』を見たかったからなんです。あの、宙に浮くソルバルウを(笑)
わたしの場合は、自分の好奇心はどこに向いていて次に何を訊いたら、いろんな読者の方たちが面白いと思ってくれるだろうかと思いながらいつもやっているんです。それがとても面白いので、この「社長が訊く」をずっと続けているんですね
問題があると、解決せずにはいられない。いや、私は、もしも違う人生を歩んでいたら「辻プログラマー」になってると思いますよ
わたしはいつもそうなんですが、好きか嫌いかではなく「これは、自分でやるのがいちばん合理的だ」と思えば覚悟がすぐに決まります
自分は、他の人が喜んでくれるのがうれしくて仕事をしている。それはお客さんかもしれないし、仲間かもしれないし、仕事の発注者かもしれないけど、とにかく私はまわりの人が喜んでくれるのが好きなんです。まわりの人が幸せそうになるのが自分のエネルギーなんです
安心して「バカもん!」と言える人と、腫れ物に触るように叱らないといけない人がいるんですよね。で、これはねぇ、ものすごい差なんです。こちらから与えられる量も、その人が吸収できる量も、ものすごく変わってくるんですよ
ウケるというのはお店で何個売れるということじゃないんです。買ってくださるのはどんなお客さんで、すぐにやめちゃったのか、それともずっと遊んでくれてるのか、どっちも1個の売上げですがそれを知るのと知らないのでは次のステップで考えることが違ってくるんですね
プログラマーは、ノーと言っちゃいけない(どんな困難な要求でもノーと言った時点で企画そのものが駄目になる)
お客さんのニーズも変わるし、マーケットの環境も変わるし、情報の伝わりかたも変わるし、人が欲しいと思う内容も変わるし、実際に買いにいく人も変わるし、売り場も変わるじゃないですか
「いまよいとされているやりかたはほんとうに正しいのか」ということをわたしだけでなく会社じゅうの人がうたがってかかって、変わってゆく周囲のものごとに敏感であるように仕向けていかないといけない、と考えています
成功の体験をした集団というのは変わることへの恐怖があるものですが、いますごく意識するのは、環境がすごい変わって、人の考えかたがすごく変わって、お客さんがすごく変わって、情報の伝わりかたがすごく変わっているわけじゃないですか
うーん……世の中の変化がゆっくりだった時代が 、長くつづいたんですね。何年ものあいだおなじ方向のおなじ考えかたが通用して、それが成功をくりかえしているとそれによって成功の体験をした集団というのができますよね
「お客さんとしては会社がどう見えたらその会社を好きになるか」とか「社員はどうしたら自分の会社のことをポジティブに語りたくなるか」という視点がなくなるとすごく危険だと思うんです
人に対して単純なモデル化で経営をするのはまちがっていますよね。「あなたはそんなに単純にモデル化されたいか」と説教したくなります(笑)
モデル化を単純にするほど考えやすくなるから単純なモデル化には魅力があるんです
レジそばの大福の件にしても、あれは誰かがあそこに偶然、あるいは「ひょっとしたら」といって置いたら それがうまくいったということであって、あとづけで理由がついたに決まっていると思うんです
利益が大事な人もいれば、利益なんかどうでもいいという人もいれば、利益はちょっと欲しいけど、他の要素も大事という人もいれば、さまざまなんですよ
それがわたしの「判断すること」や、「困難な課題をどう分析して解決の 糸口を見つけること」に、ものすごく役にたっているような気がします
コンピュータの世界にも、誰かと一緒に仕事をする世界にも、じつはすごい共通点がいっぱいあって、その共通点を見つけることができたためにわかったことみたいなものがいっぱいあるんです
せっかちな性格が出るんでしょうね
消えてます、消えてます。わたし、強く打つから(笑)
プログラムではよく「極端ないいかたでいえば、全体のなかの一%の部分が、全体の処理時間の七割から八割を消費している」などといわれるぐらい、そこばかり何回も処理していることがありえます。だからそのボトルネックになっているところを直さないかぎりは、そうじゃないところをいくら直しても意味がないんですね
「もっとプログラムをはやくしてください」というときにはボトルネックになっている部分がかならずあって、それが全体を遅くしているんですね
わたしは、そのことはよく意識するようにしてきました。これは自分がコンピュータをやっていて得意だったことのうちのひとつです
行動は所詮仮説にすぎないのでまちがっているかもしれませんが、少なくとも「ここがボトルネックになっているはずだからこれをこう変えれば全体がこうよくなるはずだ」というふうに行動しなければいけないのに、わりとそれができないものですよね
強みと弱みの話ともつながる概念なんです。自分しかできないことはなにかとか、いちばん問題になっていることは なにかとかいうことがちゃんとわかって行動していくべきですから
全体をどうにかしたかったら、ボトルネックがどこなのかを見つけてそこを直しにいかないといけません。ボトルネックより太いところをいくら直したとしても、全体はちっとも変わらないんです
あらゆることがそうですけど、かならず「ボトルネック」といわれるいちばん狭い場所ができてしまって、そこが全体を決めちゃうんですよね
コンピュータにはできることとできないことがあるんです。でも、そういうことが、世の中では、わりとちゃんと区別されずに語られるんですね
わたしは糸井さんとはぜんぜん違う道をあゆんできて、ぜんぜんちがう価値観で生きていて、ぜんぜんちがうタイプなんですけど、前々から妙にいろんなところで共振するんです
成功体験が変化に順応できないというのは、まさにそれなんですね
遺伝子の結合はバクチですからね
リスクをとらないところには達成感はないですから……といってしまうと、根はバクチ打ちなのかなぁ
逆にわたしはそういう批評家や評論家ではいたくないんです
「後悔したくないし、力があるならそれをぜんぶ使おうよ」という感じなんですね
誰かのお役にたったり、誰かがよろこんでくれたり、お客さんがうれしいと思ったり、それはなんでもいいんですが、当事者になれるチャンスがあるのにそれを見過ごして「手を出せば状況がよくできるし、なにかを足してあげられるけど、たいへんになるからやめておこう」と当事者にならな いままでいるのはわたしは嫌いというか、そうしないで生きてきたんです。そうしないで生きてきたことで、たいへんにもなりましたけれども、たくさんおもしろいことがありました
それをちょっとちがう言葉で表現しますと、わたしはきっと当事者になりたい人なんです。あらゆることで傍観者じゃなくて当事者になりたいんです。だけどその一方で当事者になるというのは自分の利益のためではないんです
たぶん、わたしが考えて実行してきたことのなかのごく一部であっても、「ここを取りだしたら、誰かがちょっぴり役にたったりする かもしれない」という要素がきっとあると思うんです。糸井さんがかつてわたしにそうしてくださったようにね
理解と共感を得るためには微妙な舵取りが要ります
わたしは山内さん(前任社長)のことを強く尊敬していますし、「こんなにすさまじいことを、自分はおなじようになしとげられるとは到底思えない」とすごい敬意を持って見ています
放っておけば会社がつぶれるし、変わらなければいけない理由は目に見えているし……という状態のときには現状否定から入っても誰もそれに反対しないんですけれども、任天堂はもちろんそういう否定をしたいような状況ではありませんよね
なにに対しても「いまの世の中にはココが合っていないと思うからココは変わるべきです」というメッセージしか発せなかったと思います
面談をしてなかったら、わたしは、「現状否定から入ったらダメだ」ということがきっとわからなかったと思うんです
わたしがもしも昔の時代にいたら、いま任天堂がやっているのとおなじような方法をとったと思うよ。でも、環境が変わったでしょう?周囲が変わったでしょう?ぼくらが変わらなかったらどうなる?ゆっくり死ぬ道を選ぶ?それとも、もっとたくさんの人が未来にぼくらの作ったものでよろこんでくれるようになる道を選ぶ?
わたしはいま、任天堂がいまのこの環境なら変わったほうがいいと思うことはあるけれども、現状否定からは入りたくないし、入るべきだとも思っていません。たくさんのことを変えてもいるのですが、否定したいから変えるのではありません
不誠実なものについて現状否定をするのはいいと思うんですけど、誠実にやってきたアウトプットに対して現状否定をすることだけは「なし」だと思うんです
だって現状を作りあげるために、たくさんの人が善意と誠実な熱意でやってきたわけでしょう?
世の中のありとあらゆる改革は現状否定から入ってしまいがちですが、そうするとすごくアンハッピーになる人もたくさんいると思うんです
成功を体験した集団を、現状否定をして改革すべきではないと思います。その人たちは善意でそれをずっとやってきて、しかもそれで成功してきている人たちなんですから、現状否定では理解や共感は得られないん です
ゲームがうまい人じゃなくっても、「インクを塗るのが楽しい」とか、シューターというゲームになじみがなくても「すごくおもしろい」と言ってもらったりと、いろんな人たちに、さまざまな感想を持ってもらえたらうれしいですよね
パイがどんどん小さくなっているとしたら、業界で一番になっても死ぬのが先 延ばしになるだけです。死ぬのを延ばすために社長をするのはイヤでした
(株主から「リストラを敢行しないのか」との問いに)社員が怯えながら作ったソフトは人の心を動かせない
社員に『ありえない』というところまで考えていいんだと伝えたい。そして今後も、任天堂がそういう会社でいられたらカッコいいなと思いますね
昔の国際電話は上空36,000km離れた衛星を利用していたから,返事が届くまで信号が2往復するのに0.4秒のタイムラグができる
今あるプログラムを使うと完成まで2年かかります。ですが私が一から作れば1年で出来ます