似鳥昭雄の名言集
やはり「お客様にとって一番重要なものは何か」を真剣に考えたことに尽きると思います。お客様のクレームは何かしっかり見極める。それを解決するために私たちは時間とお金を惜しみなく使う。お客様が得をするために私たちが損をするしかないのです
似鳥昭雄
ほとんどの経営者は儲けること、売り上げを伸ばすことばかり考えてしまいます。
自分の立場になってしまってはいけません。
朝から晩まで「お客様にとって」という言葉が1日何回出るのか。1日最低10回は出ないといけません。
そして言葉だけでなく、具体的に何をしていかないといけないのかを突き詰めて考えなければなりませ ん
私の人生のテーマは「悔いのない人生」です。やらずに後悔するくらいなら、やってみて失敗した方が断然良い。むしろ失敗をたくさんして、それを糧に成長してやろうという発想をずっと持っています
問題を解決するためには、問題を数字と状態で具体的に捉えることが必 要です。社員には、「仕事では数字のない会話をしないように」と言っています
我々は来客数を増やす為に、たとえ自分たちにとって損でも、お客様に満足していただけるサービスを提供してきました。つまり、損して得を取れです
我々は世界一を目標にしていますが、社員に も何かで一番になれと言っています。エリアで一番、日本で一番、世界で一番。少しずつ一番を増やしていけば、世界一だって達成できるはずです。我々はまず国内をしっかり押さえ、その次に欧米、アジアへと展開していきたいと考えています
業績が上がったらベア(給料のベースアップ)を行う、という発想はしていません。仮に厳しい状況下でも、先にベアを行って、あとは社員に頑張ってもらうという考え方が基本です。この「先に行う」という判断が、なかなかできないのが普通かもしれませんが、そこは社員への信頼がある。うちの社員だったらきっとやってくれるだろうと信じているのです。これまでその信頼関係で何十年とやってきました。ベアは先に行い、期待以上の成果が上がれば決算手当で報いる、というのが当社の仕組みです
かつて初任給増を止めたことがありましたが、すぐに失敗だったと痛感しました。やはり20代を底上げしていかないと、社員が会社の未来に希望を持てなくなるのです
給与だけでなく、社員への教育にもドンドンおカネをかけています。
上場会社の社員への教育投資は、1人年間で5万円弱だとされていますが、ウチはその5倍以上、年間で26万円ほど投じています。
人材が命であり、今後も教育投資におカネを惜しむつもりはありません
私は必ず「現場・現物・現実」をもとに市場調査を行うようにしています。住宅関連だけでなく、衣食住のすべてを見、買い物をします。社員に行かせるだけではいけません。経験と鋭い感性を持ったトップに準じる立場の人が、アメリカならアメリカの現地を見る。そして10年先を見通さなければいけないのです
いつも注意しているのは「ビジネスである限り、必ず数字を入れて会話をしなさい」ということです。私たちの仕事は論理と科学で成り立っているからです
週次決算では、いくら儲かったかが問題ではありません。業績好調な中でも、機会損失などの失敗はあるはずなので、それを金額と状況に直して1年後のレポートをつくるのです。このようにして、私たちは毎週、1年で52週間成長していきます。そうしないと、必ず悪い状況に陥ってしまいます
08年5月以来、約1年で6回にわたり値下げをしていますが、粗利は下がっていないし、売上が伸びているから利益は出ます。すると、さらなる値下げ原資ができるのです。値下げをしても、お客さんが増えるからまた下げる。いい循環になってきたということです
今回は損得抜きでカネを使おう。たしかに原材料費や燃料費は上がっているが、統計によると、サラリーマンの収入はここ何年も下がり続けている。別に「値下げしてほしい」と言われているわけじゃないが、数字を見れば明白だ。お客さんは値上げではなく、値下げを望んでいる。だったら、こういうときこそ恩返しをするべきだ。うちが赤字になってもいいじゃないか
将来を見通すには、現時点の調査結果を原理原則に照らして予測する必要があります。具体的には、日本の住宅価格の動向とバブル崩壊との関係をグラフ化し、それをアメリカの事例に当て はめる。人間が絡んでいる出来事であれば、国を問わず必ず同じようなパターンで進行します。経験則をバカにしてはいけません
ニトリは月次ではなく、週次決算を基本にしています。月次では前月や前年と比較するときに、月の日数や曜日の配列で条件が異なってしまい、正確な比較ができません。だから週次でやっているのですが、うちの役員クラスは、月曜日に出る決算の数字や状態を見て、どこに問題があり、来年のこの週はどう改善するか、つまり問題の発見と分析と改善についてレポートしなければなりません
これだけの値下げができるのは、もともと素人だった私たちが工場経営から船の手配や貿易実務まで、仕事を全部手がけているからです。聞いただけで気が遠くなるでしょう?
日本人の住生活が豊かになるなら、たとえイケアに負けても構いません。日本の消費者を豊かにすること。これが、我々の会社が存在する目的です。目的が達成するなら、うちがつぶれてもいいと思っています
儲けようと考えていたら、お客さんは逃げていきます。店側が儲けてやろうと身構えていたら、そんなところには近づきませんよね。逆に買い物をしているお客さんの方が、儲かったと思うようでなければいけません。だから、まずは心の中から、儲けたいという思いを取り除かなければいけないんです
問題は、日本では競争が少ないことです。米国のように競争が激しいと価格が下がり、品質や機能が向上します。続々と新しい商品が出てくるわけです
夫婦関係と同じように、ビジネスでも見返りを求めません。儲けようとすると、お客さんは逃げていきます。喜んでもらえればいいのです
その人の神業的な技術によって、1店や2店なら繁盛店にすることができるでしょう。しかし、その技術を標準化し、チェーン化することは不可能です。会社を伸ばすためには本質的なことではないのです
そもそも、売れる営業や、成績のいい販売員に着目することに、どれだけ意味があるのでしょう。それが企業にとって本質的なことかどうかを考えなければいけません。僕はナンセンスだと思います
アメリカはそうだが日本は違う。北海道はそうだが関西は違う。文化が違うから接客の仕方も違うんだという人がいますが、本当にそうでしょうか。みんな人間なんだから感じ方もベースの部分では同じだと考える方が自然です
家具屋さんでもどこでもいい、店内に入ったら店員が飛んできて、ずっとついて歩くとしたら鬱陶しくないですか。お客としてはそう思うのが自然でしょう。それは世界中どこでも同じです
厳しかった両親や兄弟、社員のおかげで生かされている。これからはみんなのために生きるんだ
米国のような豊かな生活を日本で実現したい。そのための企業に育てようという明確なビジョンが芽生えたのだ
即断、即決、即行。失敗してダメだったら、戻ればいいし、止めりゃいい
上司が「あの件はどうなっているか」と質問すれば、部下は必ず、「何月何日までに値段はいくらで、こういう状態で入荷します」と答えなければいけません。なぜなら、それが人を成長させる唯一の道だと思うからです。だから、うちの役員・社員はどこへ行っても数字や論理で表現しなければなりません
正確な日時や金額など、数字の入っていない会話は、ビジネスの会話ではありません。それは遊びです
日本国民に欧米並みの豊かな住環境を提案したい
基本はセルフサービス 。そして、どうしても説明を聞きたいという場合にだけ、お客様が店員に声をかけるという形が理想なのです
高価な品であるとか、説明が必要な商品はありますが、大部分の商品は接客するよりも店頭の値札や説明書きに語らせる方が、お客様に買い物を楽しんでもらえるのです
接客態度が優れているのは好ましいことですが、それはあくまでもプラスアルファの部分だということを忘れてはいけないと思います
接客が上手いから売れるというのは本末転倒です。小売業では挨拶、親切、整理整頓などを本社がうるさく指導することがよくありますが、逆にいうと、店員の挨拶がよくないと売れないのでしょうか。私はそうは思いません。もし、店員の態度がよくなかったとしても、商品の品質が良くて十分に安ければ9割の人が買うでしょう。なぜならお客様は商品を買いに来るのです。店員の礼儀礼節や説明を買いに来るのではありません
日本流の接客を見ていておかしいなと思うのは、偏見や神話に基づく間違った知識を押し付けているということです。たとえば、ソファは少し硬めの方がいいですよとよく言われますが、医学的根拠はありません。話している当人は騙しているつもりはないでしょうが、結果として買う側の立場を考えない接客になっているのです
逃げ場として「感性」「多様性」という言葉を使うこともありますが、私はそれを社内で一切許しません。数字の裏付けがある具体的な話をしなければいけません。それを徹底しています
いまさら海外研修に出して何が学べるのか、という声も決まれますが、とんでもない。いくらでも学ぶべきところは見つかります。大事なのは「学び続ける」ということです。だからこそ当社は、上場企業平均の4.5倍もの教育投資を行っているのです
個々の商品を発売するか否かの決断は、商品企画部門の責任者に任せます。私が逐一、口出ししているわけではありません
商品の企画は、社長の私と社員たちとで議論しながら練り上げます。基本的には担当部署の社員たちがアイデアを出し合い、討論しながら次々と企画づくりを進めます。その中で私は、全体のプロデューサー役として大きな方向性を打ち出すほか、討論の場へも積極的に参加するようにしています
現場中心でものごとを考える。その姿勢を徹底させるため、当社では毎年数百人の社員をアメリカ西海岸へ視察研修に活かせています。現地では実際に小売店や飲食店を訪れサービスを体験させます。加えて朝と晩には座学の講義を行い、翌日に向けて宿題も出します
売れる商品を企画する社員には共通点があります。彼らは国内外の小売業や飲食業の店を常にウォッチしておき、そこで見つけてきた問題点やヒントを商品開発に生かしています。机上でマーケティング・データをもてあそぶのではなく、現場・現物・現実に接して発送するのです。そのうえで、観察力・分析力・判断力に優れた人が売れる商品をつくっています
テレビCMなどで当社は「お、ねだん以上。ニトリ」というキャッチコピーを使わせてもらっています。扱っている商品のひとつひとつが、品質・機能のすべてにおいてお値段以上の価値がある。つまり、価格は安いけれど品質はチープではないという意味です。そしてそのことについて、お客様が「お、」と小さな驚きを感じてくださる。「なぜニトリは売れるのですか?」という質問を最近よくいただきますが、答えはこのことに尽きると思います
同僚には「社長のために命をかける」というヤツもいました。でも、僕はそんな気はぜんぜんありませんでした。
だから、最初から何もしなかったんです。契約が取れなくてクビになりましたが(笑)
そのときに、もし「お客さんのために」とか、「社会のために」と言ってくれたらヤル気も出たと思うけど、「社長のため」では、全然気合が入りませんでした
コンサルタントは決して顧客を褒めてはいけないんです。「ここも、あそこも問題だ」と、ズバズバ弱点を突いて、こちらの知らないことを教えてくれる存在でなければいけません
人間、「褒めて欲しい、褒めて欲しい」と願っているうちが華で、褒められるようになったらおしまいです。いい気になって我流で進むようになったら、必ず失敗します
僕の一生の目標は、アメリカ研修で決定しました。当時日本人の給与所得は、アメリカに並びつつあるのに、生活レベルはどうしてこうも違うのだろうと衝撃を受けました。理由は、日用品全般の価格の低さにありました。日米の給与は一緒でも、アメリカの物価は日本の三分の一でした。日本人の給料を3倍にすることは僕にはできません。しかし、価格を三分の一に引き下げることはできる。そうすれば結果的に日本人の生活はいまの3倍は豊かになるはずです
人づくりに関して、僕は創業当初から、とにかく優秀な人材が欲しかったのです。人材を育てるには30年、少なくとも20年はかかりますが、そもそも学びに適した人材を登用しないことには話になりません。そのためには、新卒採用はもちろんのこと、中途採用も積極的に行ってきました。人材をスカウトせずに成功した企業はないからです
年功序列などは論外です。20から30代を改革に捧げてきた人も、40代から50代では歩みが止まるかもしれない。歩みが止まった瞬間、うちでは降格が始まります。当然給料も下がっていきます。厳しいかもしれませんが、これくらいでないと志は成し遂げられません
人間の一番高度な欲求は自己実現です。それが働くうえでの一番のモチベーションになります。単に給与や役職がもらえるということでは弱いのです。仕事を通じて社会に貢献できるという達成感こそが、最高の褒美なのです
僕が社員によく言うことは、「会社のため、社長のため、そういうことは考えなくていい。自分のためにやってください」ということです
品質には徹底的にこだわっています。いくら安価でも、安かろう悪かろうでは話になりません。そんなことでは一度はニトリ製品を買ってくれても、二度目の購入はありません
頭が切れてパーッと先回りできる人間はいるけれど、そういう人間は実は先々成長しません。「ウサギとカメ」のウサギと一緒で、途中で満足して飽きてしまったりするからです
人生において師を持つことは大切です。それも厳しければ厳しいほどいいのです。親父代わりとも呼ぶべき恐ろしい大師匠、渥美俊一先生の出会いがなかったら、現在のニトリはありません
人間は現状を否定することからのみ成長することができます。取り柄ができてしまうと、どうしても守りに入ってしまいがちですが、それでは進歩発展していきません。昔は優秀だった人が、いまでは錆びついてしまって使い物にならないということはよくありますから
入社以来、数年間同じ上司のもとについているなどということは、我が社ではありえません。次々に部署異動して新しいことを勉強してもらうのです。本人にとっては恐ろしいと思いますよ。やっと慣れたと思ったら、すぐに別の業務に就かされる。それが延々と続くわけですから
人材を育てるコツがあります。それは「高速配転教育」です。1年半ごとに部署をどんどん変えていくのです
不景気の一番の利点は、社員が成長できることです。経済が上向きのときは、人間は成長しません。でも不況になれば、何とかしようと努力します。むしろ一番困るのは、好景気が長続きすることです。社員が成長しませんから。不況、大いに結構です
リスクを自ら取り込む。リスクがないと社員は成長しない