作家の名言集
乗り切るも、倒れるのも、ことごとく自力のもたらす結果である
夏目漱石
職業というものは要するに、人のためにするものだということに、どうしても根本義を置かなければなりません。人のためにする結果が己のためになるのだから、元はどうしても他人本位である。すでに他人本位であるからには種類の選択分量の多少すべて他を目安にして働かなければならない
死ぬまで進歩するつもりでやればいいではないか。作に対したら一生懸命に自分のあらんかぎりの力をつくしてやればいいではないか。後悔は結構だが、これは自己の芸術的良心に対しての話で、世間の批評家やなにかに対して後悔する必要はあるまい
人間は自分の力も自分で試してみないうちは分かりません。握力などは一分で試すことができるが、自分の忍耐力や文学上の力や強情の度合などは、やれるだけやってみないと自分で自分に見当のつかないものなのです
妄りに過去に執着するなかれ、いたずらに将来にを属するなかれ、渾身の力を込めて現在に働けというのが、私の主義なのである
頭を悪くしてはいけません。根気ずくでおいでなさい。世の中は根気の前に頭を下げる事を知っていますか。花火の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。うんうん死ぬまで押すのです。それだけです
古い道徳を破壊することは、新しい道徳を建立する時にだけ許されるです
あなたが今、撒く種はやがて、あなたの未来となって現れる
君、弱い事を言ってはいけない。僕も弱い男だが弱いなりに死ぬまでやるのである
人間の目的は、生まれた本人が本人自身に作ったものでなければならない
ああ、苦しい、今、死にたくない
自分のしている事が、自分の目的(エンド)になっていない程苦しい事はない
時代の風潮、自分を取り巻く環境、さまざまな価値観、それらを正しく見きわめ、自分の判断で行動できるのは、どこにも属さない「迷子」だけだ
表面を作る者を世人は偽善者という。偽善者でも何でもよい。表面を作るという事は内部を改良する一種の方法である
世の中に片付くなんてものは殆どありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変るから他にも自分にも解らなくなるだけの事さ
金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないというのさ。義理をかく、人情をかく、恥をかく、これで三角になるそうだ
他の親切は、その当時にこそ余計なお世話に見えるが、後になると、もういっぺんうるさく干渉してもらいたい時期が来るものである
人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ
人間は角があると世の中を転がって行くのが骨が折れて損だよ
教えを受ける人だけが自分を開放する義務を有っていると思うのは間違っています。教える人も己れを貴方の前に打ち明けるのです
あらゆる芸術の士は、人の世をのどかにし、人の心を豊かにするがゆえに尊い
道徳に加勢する者は一時の勝利者には違いないが、永久の敗北者だ。自然に従う者は一時の敗北者だが、永久の勝利者だ
自分の好きなものは必ずえらい人物になって、嫌いな人はきっと落ちぶれるものと信じている
自己を捨てて神に走るものは神の奴隷である
私はこの自己本位という言葉を自分の手に握ってから大変強くなりました。彼等何者ぞやと気概が出ました
四角の世界から常識と名のつく一角を摩滅して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでも良かろう
鏡は自惚れの醸造器である如く、同時に自慢の消毒器である
細君の愛を他へ移さないようにするのは、夫の義務である
全ての夫婦は新しくなければならぬ。新しい夫婦は美しくなければならぬ。新しく美しき夫婦は幸福でなければならぬ
恋心というやつ、いくら罵りわめいたところで、おいそれと胸の砦を出ていくものでありますまい
恐れてはいけません。暗いものをじっと見つめて、その中からあなたの参考になるものをお掴みなさい
色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず
ナポレオンでもアレキサンダーでも、勝って満足したものは一人もいない
金は大事だ、大事なものが殖えれば寝る間も心配だろう
離れればいくら親しくってもそれきりになる代わりに、一緒にいさえすれば、たとい敵同士でもどうにかこうにかなるものだ。つまりそれが人間なんだろう
呑気と見える人々も、心の底を叩いてみると、どこか悲しい音がする
嬉しい恋が積もれば、恋をせぬ昔がかえって恋しかろ
前後を切断せよ
真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし
嘘は河豚汁である。その場限りでたたりがなければこれほどうまいものはない。しかしあたったが最後苦しい血も吐かねばならぬ
もし人格のないものが無闇に個性を発展させようとすると、他を妨害する。権力を用いようとすると濫用に流れる。金力を使おうとすれば、社会の腐敗をもたらす。随分危険な現象を呈するに至るのです
ある人は十銭をもって一円の十分の一と解釈する。ある人は十銭をもって一銭の十倍と解釈する。同じ言葉が人によって高くも低くもなる
青年は真面目がいい
嫌な女も好きな女もあり、その好きな女にも嫌なところがあって、その興味を持っている全ての女の中で、一番あなたが好きだと云われてこそ、あなたは本当に愛されているんじゃありませんか?
自らを尊しと思わぬものは奴隷なり
考えてみると世間の大部分の人は悪くなることを奨励しているように思う。悪くならなければ社会に成功はしないものと信じているらしい。たまに正直な純粋な人を見ると、坊ちゃんだの小僧だのと難癖をつけて軽蔑する
馬は走る。花は咲く。人は書く。自分自身になりたいが為に
わざわざ人の嫌がるようなことを云ったりしたりするんです。そうでもしなければ僕の存在を人に認めさせる事が出来ないんです。僕は無能です。仕方がないからせめて人に嫌われてでもみようと思うのです
真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ
君、弱い事を言ってはいけない。僕も弱い男だが、弱いなりに死ぬまでやるのである
たいていの男は意気地なしね、いざとなると
愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ
女には大きな人道の立場から来る愛情よりも、多少義理をはずれても自分だけに集注される親切を嬉しがる性質が、男よりも強いように思われます
私は冷かな頭で新らしい事を口にするよりも、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きていると信じています
自分の弱点をさらけ出さずに人から利益を受けられない。自分の弱点をさらけ出さずに人に利益を与えられない
君は山を呼び寄せる男だ。呼び寄せて来ないと怒る男だ。地団駄を踏んでくやしがる男だ。そうして山を悪く批判する事だけを考える男だ。なぜ山の方へ歩いて行かない
焦ってはいけません
牛のように図々しく進んで行くのが大事です
のどかな春の日を鳴き尽くし、鳴きあかし、また鳴き暮らさなければ気が済まんと見える。その上どこまでも登って行く、いつまでも登って行く。雲雀はきっと雲の中で死ぬに相違ない。登り詰めた揚句は流れて雲に入って漂うているうちに形は消えてなくなって、ただ声だけが空の裡に残るのかもしれない
自分のことは自分が一番よく知っていると思い込んでいる
瀬戸内寂聴(夫婦)
言いたいことを言いなさい
悲しみを知らない人は、人の悲しみがわからない
真実の愛は地味なもの
素直になると楽ですよ
何よりもまず夫を信じる能力を持つことが、家庭的には絶対である
今生でめぐり逢い、親しむことは当たり前ではなく、前世からの深い絆に結ばれていた結果
他人のアラはよく見え、自分のことがまるで見えないのが私たち凡人であ る
互いの中から、真の男らしさ女らしさを引き出せるのが、男であり女であるのではないかしら
家庭とは他人は口にしない批判や忠告も出せる場でなければなりません
ここまでは大丈夫という安心と自信が妻にはある
結婚ということを大切な人間の事業と考えるほど、結婚の基礎となる「愛」に不安と不信を覚えるのが本当の姿ではないだろうか
あなたが強いから、耐えられるから、与えられた試練
女の幸福は一人でも多くの人間が自分を理解してくれたと思うこと
優しい家庭的な夫や妻は、1時間でも早く我が家に帰り着いて、家族の中に身をくつろがせることを無上の喜びと楽しみに感じる
夫婦は他人には計り知れない不思議な情愛で結ばれています
自分の幸せだけを考えない。自分の利益だけを考えるような生き方はしない
出逢った人間は必ず別れなければなりません。死なない人間がいないように、別れのない人間同士の関係もありえないのです
騙される能力が残されているということは、何かの恩寵ではないでしょうか
怨むより許すほうがずっと楽
もしあの人と結婚しなければ、いくらあとでそう思っても、仕方がありません。運命というのは、そういうことです
離婚に踏み切るには相当な勇気のいることである。結婚に踏み切る勇気は、恋の情熱というものが支えてくれるし、未来の幸福への幻想が助けになってくれる
別れはすぐ一分後にあると考えるべきです。一瞬一瞬に心をこめて、真剣に悔いのないよう生きていくしかないのです
今の夫と恋に落ちたとき の情熱を思い出してみて下さい。あの恋がこうも色あせ、魅力を失うときが来るなど、あのとき予想したでしょうか
賢明な妻たちは、決して身を誤って新聞や週刊誌の実話に取り上げられたりするようなヘマはやらない
妻は優しくされることを望んでいるだけではない、優しい心で理解されることを望んでいる
愛を捕らえたと思うと、謙虚さを忘れてしまいます。この愛を得たのは当然の運命だったかのように思い上がり愛を独占しようとします。苦しみは、その日からはじまるのです
憎いと思うのも可愛いと思うのも自分の心の勝手な思い込み